◆Q エックス線撮影の被ばくは大丈夫?
◆Q 年齢による歯の喪失原因は?
◆Q 自分のお口の状態を理解することが大切な理由は?
◆Q 自分で歯周病を診断する目安は?
◆Q 奥歯は前歯よりたいせつ?
◆Q 神経は取ったほうがよいのですか?
◆Q 一歯欠損による治療の選択は?(下顎第一大臼歯の場合)
◆Q すべての治療は長所もあるし短所もある?


◆Q エックス線撮影の被ばくは大丈夫?

歯科エックス緑撮影における放射線量は?
 ・□腔内撮影(デンタル)1枚 0.01mSv
 ・歯科用パノラマ撮影1回 0.03mSv
 ・歯科用CT撮影 1回 0.1mSv

とされています。デジタルエックス線写真になると、その5分の1から10分の1になるといわれています
(東京都歯科医師会より:機械の種類によって多少数値は異なります)。
日本人が日常生活で自然に受ける放射線量(年間)は平均1.5mSvです。(世界平均で2.4mSv)。100mSv以下では特異的な癌の発生はないとされています。放射線は「有効な被ばくでなくてはならない」という考えがあります。エックス線写真を撮ることでむし歯の発見や歯周病の進行などを知ることができます。CTは被ばく量が多いのですが、通常のエックス線写真では得られない多くの有益な情報が得られます。被ばくを恐れて必要な情報が得られないということのほうが、適切な診断が出来ないために、誤診や不利益な結果を生み出すことをご理解ください




◆Q 年齢による歯の喪失原因は?

乳幼児期(0〜5歳)
乳歯の生え始めは酸に侵されやすく、もっともむし歯になりやすいです。哺乳びんを使って清涼飲料や乳酸飲料を飲みながら寝るとひとたまりもありません。

学童期(6〜12歳)
永久歯の生え始めは乳歯と同じく、むし歯に侵されやすいです。とくに一番早く生える第一大臼歯(6歳臼歯)は、咬み合わせを決める大切な歯なので気をつけましょう。

思春期(13〜18歳)
中学生から高校生にかけては、勉強に部活に忙しく、食生活が乱れやすく、口腔の管理を怠り、むし歯や歯周病になりやすいです。成人前の高リスクな時期です。

青年期(19〜39歳)
歯と歯の間に出来る目立たないむし歯に要注意な時期です。

壮年期(40〜64歳)
歯周病が進行しやすい時期です。かぶせた処置のメンテナンスも必要な時期です。

老年期(65歳以上)
歯ぐきが下がって露出した歯根は、むし歯になりやすく注意が必要です。唾液の出にくい人は、さらにむし歯のリスクが上がるので要注意です。


▼むし歯より歯周病が原因

※歯周病の罹患率
歯周病の痛みなどの自覚症状がないままに進行するため、気づいていない人が多く、実際は成人の約80%が歯周病にかかっているといわれています。



◆Q 自分のお口の状態を理解することが大切な理由は?

治療にあたり、歯の検査、歯周病の検査、レントゲン検査、および歯並びの型取りによる石膏模型、口の写真などをもとに診察をします。そのときに詳しく説明しますので、いまの状態をよく知っておいてください。
疑問や誤解をそのままにしておくと、互いの信頼関係がくずれて、診療がスムーズに進みません。そうなると、治療後に患者さんが不満を抱くことにもなりかねません。わからないことがありましたら、どうぞ遠慮なくお尋ねください。わからないことがあるのは当たり前です。
他の医療機関、たとえば大学病院などの専門医の意見や診察を希望する場合には、ご紹介します。
最終的には、いくつかある治療法の中からどれを選ぶか。それを決めるのは患者さん自身です。しっかりと納得してから決められることがよいと思います。
インフォームドコンセントとは、医療者と相談しながら患者さんが考えるプロセスのことで、後悔のない選択をできるように支援するのが医療者の役割です。


※歯の検査法
視診:直接お口の中や歯の状態を見ます。見づらいところはミラーを使います。
蝕診:探針を使ってむし歯や歯周病の状態などを見ます。
打診:ピンセットやミラーの柄で歯を垂直方向や水平方向に叩いて痛みを確認します。



◆Q 自分で歯周病を診断する目安は?

歯肉炎
歯垢(プラーク)や歯石が歯肉との境目にたまり、それに接触する歯肉に軽い発赤と腫れが生じて、歯磨きをすると出血がみられる程度です。

軽度・中等度歯周炎
さらに、歯ぐきの色は赤黒くなり、ぼってりした形に腫れて、歯ぐきを押すと出血します。歯周ポケットは軽度が4〜5mm、中等度は6〜7mmと深くなり、歯を支える歯槽骨の吸収は進みます。食事をすると歯の動きを感じるようになり、動きによる痛みも生じるようになります。

重度歯周炎
歯ぐきは腫れて、何もしなくても痛みを感じたり、歯周ポケット内での細菌と白血球との戦いの結果、膿がたまったり排出されます。大きく腫れることで、歯槽骨は吸収が進み、歯の動揺はさらに大きくなります。歯は左右への動きだけでなく、沈み込むような動きが出てきます。
なお、妊娠中は唾液がねばねばしたり、ホルモンの関係で口の中が清潔に保ちにくくなります。つわりによるブラッシング不良も原因で、むし歯や歯周病にかかりにくくなっています。

▼歯周病の進行度と症状


:歯肉炎/この段階では歯槽骨の吸収はありません。ポケットは3mm以内です。
:軽度・中等度歯周炎/歯槽骨の吸収は歯根の1/3〜2/3です。炎症が広がり、歯肉の退縮が起こります。
:重度歯肉炎/歯槽骨の吸収は歯根の2/3以上です。ポケットは10mmを超えることもあり、つねに出血やポケットからのは排膿がみられ、歯がぐらぐら動揺して、ついには抜けてしまいます。


※歯周病の自覚症状

初期の段階ではあまりありませんが、症状が進むにつれ出血や腫れ、口臭などの他、お口の中がねばねばするようでしたら要注意です。



◆Q 奥歯は前歯よりたいせつ?

前歯がきれいに並んでいれば、奥歯はどうでもよいかというと、そんなことはありません。奥歯は食べ物を細かくつぶす役割があります。つぶされずに飲み込むと胃への負担も大きくなります。
また、奥歯を治さずに前歯だけ治療を行っても、しばらくすると今度は前歯も崩壊します。奥歯があごの位置(咬合高径)を決めており、本来はお口を結んだときは奥歯が当たり、前歯は紙一枚程度のすきまがあります。奥歯がなく前歯が強く当たりすぎていると負担が大きくなり、前歯は次第に動き出します。
咬合高径(高さ)が低いと、顎関節に痛みが出て、咀嚼する筋群にも痛みやこり、さらに肩こりなどが生じることがあります。
前歯を先に、というお気持ちはわかりますが、お口全体の治療をする場合は、奥歯の治療を優先してから、前歯の治療をした方がよいと思います。
美容整形や矯正歯科では、鼻から顎にかけての線(Eライン)をとても重視しています。横顔の美しさも歯並びが大いに関係しているわけです。

▼奥歯があごの位置を決定する



◆Q 神経は取ったほうがよいのですか?

むし歯で痛くなった歯を治療するときに歯の神経を取るといいますが、これは正確な表現ではありません。神経とは呼ばれるものは正しくは歯髄といいい、歯の象牙質に栄養分を補給している組織です。むし歯などで歯髄まで穴が開くと細菌が入り感染して炎症が起きます。その後、組織が壊れて痛みを発するので除去します。
歯髄を取ってしまった歯は、栄養補給が受けられないために時間の経過ととももろくなり黒く変色します。歯は噛む力に耐えきれないために欠けたり折れたりしてしまうので、そのために銀歯(クラウン)でくるんで、噛む力に耐えるようにしているのです。
むし歯を取った穴が大きくても、歯髄を残せる可能性があるかもしれないといわれたら、残してもらうよう試みてください。もし痛みが出た場合は、残念ですがむし歯が進行していたとあきらめてください。歯髄を残せる可能性があれば、歯科医は何とかして残したいと考えており、患者さんに痛い思いを体験させようとは決して思っていません。

▼神経を取った歯はクラウンで武装する

※神経を取られた歯
神経を取ったあとは根管充填剤を詰めて密封しますが、栄養補給を絶たれた歯はもろく、やがて変色するようになります。



◆Q 一歯欠損による治療の選択は?(下顎第一大臼歯の場合)

1.ブリッジ
両隣在歯のエナメル質を削り、金属冠で被覆する際に橋の部分にダミ一として人工歯を付けます。隣在歯に金属による修復がされている場合は、歯質の損失はさほど変わらないでしょう。ブリッジで一体化することで隣在歯に咬み合わせの力による多少の負担がかかりますが、噛みにくさや違和感はさほどありません。隣在歯が健全歯の場合は削るリスクがあります。保険(金属冠)と自費(白いセラミックス)があります。

2.インプラント
インプランドを手術により顎骨に埋め込み、骨と結合させ、その上に上部構造を装着します。ブリッジや入れ歯と比較して天然歯により近い機能回復が得られます。保険の適応はなく自費になります。近年、術式や材料が確立され、長期にわたり使用することができるようになりました。 ※インプラントについての詳細はこちら

3.部分床義歯
自分で取り外す部分入れ歯です。クラスプという金属線で隣在歯を固定して装着します。隣在歯はガイドを付与するために少し削りますが、ブリッジぼどは削りませんので、むし歯になるぽとでありません。ただし、入れ歯は咀嚼時に動きますので、多少気にはなると思います。





◆Q すべての治療は長所もあるし短所もある?

歯科の治療は、処置が保険か自費かによっても変わり、多岐にわたることが特徴です。むし歯で来院して痛みを取るだけでは歯科の特徴は活かせません。やはり、うまく噛める、うまく話せるという機能を回復させることが重要で、近年でばさらに審美(見栄え)の面も重視されるようになりました。
審美に関しては患者さん個々によって想いが異なり、処置の選択に大きな違いが現れます。同じむし歯の大きさても、歯に近い色の充填物による修復で納得されずに、歯並びのバランスまで考え、歯全体の形を変える自費の人工歯を希望ざれる方もいます,とくに上あごの6前歯(両側の糸切歯を加えた6本)は、顔の雰囲気を変えてしまうほど大きな影響を示します。
一方で、レジンという小さめの白い充填物による修復法は、歯の健康な部分を最大限残しますので、予後はよく長持ちします。しかし色彩面では切端部の透明感、歯肉寄りの黄ばんだ白、全体が均一な白、線が入ったような模様など、天然歯の特徴をすべてかなえるような対応は難しいです。やはりあなたの想いを順位づけして、伺がー番気になるのかをお伝えください


※審美歯科とは
前歯の治療では、より天然歯に近い色調を再現すことも可能です。歯科医にご相談ください。






 
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